2010/07/23

君と僕

12月は結局何も書かなかった。ほったらかしにも程がある。
と、言うわけで愛すべき世界中の皆さん、あけましておめでとう。

今回は、酔っ払った時によくする話をしらふの時に書いてみた。

この世界には2種類の人しかいない。「私」と「私以外の人たち」だ。「私」は通常一人、ジキル博士でも2人。ビリーミリガンでもせいぜい20人ちょっと。それに対して「私以外の人たち」は64億人ぐらい。多分。数字で書くと1:6400000000!桁多っ!多勢に無勢。圧倒的小数派。僕達が孤独なのはきっとこのせいだ。

世界中にあふれるこの圧倒的多数派の人たちと僕は完全に分かり合うことはできない。彼等の脳みそと僕の脳みそは物理的に違うものだし、脳みその中身を全部 伝えてくれる便利なケーブルもまだ発明されていないからだ。 「わかるわかる、その気持ち」なんて言う奴を簡単に信じちゃいけないぜ。
彼や彼女たちの気持ちはあくまでも想像することしかできない。
あの人が見ている月と僕が見ている月はどこかしら違うかも知れないし、残念ながらそれを確かめる手段はない。

でも、そう考えると新しい人と出会うということは、新しい宇宙と出会うことだ。64億個の宇宙!!しかもその全てが実際に存在するはずの宇宙とはちょっとずつずれている。はず。

だから僕やあなたは必死になって話したり、歌ったり、絵を書いたりするのだ。 「私はあなたではない」という事実は言葉や音楽を含んだコミュニケーションという悪あがきの一番根っこになっているものだと思う。本を読み、音楽を聴き、 人と話すのは、他の宇宙がどうなっているか知りたくて仕方がないからだ。自分対世界という圧倒的な孤独から逃れる為に。

僕は君でなくてホントに良かったよ。おかげで僕は君と会うことができる。

おそらく僕等が学ばなければならないことは、「他の人たちは自分とは違う」ということではなくて「他の人たち自分と同じように違う」 ということだ。ラブなんて結局想像力だろ?

あなたの宇宙はどんなですか? 僕の宇宙は…。

2004.1.10.

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